就活生へ

基本的にはこれから就活を一から始める新大学1,2,3年生向けですが、場面によっては就活が本格化している4年生も役立つかもしれないです。

【就活生へ】前提が大事

「今年の就活生の7割が~」だとか無責任に数字だけ並べてあたかも就活生全体に当てはまるかのようなネガキャンをしている記事を見るたびに辟易します。


例えばこれらの数字は標本をどこから抽出したのか(3/14開催の合同説明会参加者でのアンケート、だとか東京大学に通う4年生等)によって全く違った結果になります。就活生全体のことを言いたいのであれば少なくとも性別や在籍している大学、都道府県等様々な就活生が存在する集団の中から無作為に抽出した標本を用いて、かつ信頼区間~%での推計、のような説明がなければ統計学的には何も結論づけることができません。いきなり信頼区間だの無作為抽出だの聞いても馴染みがない人が多いと思うので、せめてサンプルとなっている集団くらいの説明は記事に載せて全国に配信する上での義務だと思います。


わかりやすい例として30人いるクラスの数学のテストの平均点でお話をします。クラスの半分が満点、あとの半分は0点だとすると平均点は50点と一意に決まります。では、このクラスから無作為(等確率)に10人をピックアップしたとき、その10人の平均点からクラス全体の平均点を推計しようとします。無作為な抽出で満点と0点が同じ人数ピックアップされれば平均点は50点となりクラス全体の平均点に一致します。しかし無作為抽出といえど、満点と0点が同じ人数抽出されるとは限りません。例えば満点が6人、0点が4人抽出されると平均点は60点になります。このように、普通は全体(母集団)と一部(標本集団)の平均は一致しません。標本集団から全体の推計する際にその精度を上げるには標本集団を母集団に近づけることが必要になります。(ざっくりいうと大数の法則というものです。)ただ、標本が少なくても可能性を論じることは可能で、例えば99%の確率で平均はこの中に収まります、という区間推定というものです。これもざっくり言うと、「30人の中から10人を抽出するという試行を100回繰り返したとき、99回は平均が45-55の間になる」というものです。(以上の説明は数学や統計の定義を厳密には話せておりません)


職業柄こういった確率や割合の話をすることが多いのですが、特に「前提」の部分に注意を払うのが当然です。なぜなら前提があっての結果であり、前提を踏まえた上で分析しなければ結果に対する評価も変わってしまうからです。


就活の面接でも同じことが言えます。以前の記事にも書きましたが、「誰にも負けない強みは?」と聞かれたときに、面接官はこの「誰にも」というワードに「全国民中」という前提を恐らく置いていないはずです。あなたが所属する集団、例えばクラスでもいいですしゼミでもいいのですがそういった前提の中で、例えば「一番成績がいい」だとか「一番足が速い」という話をすれば面接官としても「この学生は東京大学出身であるから、クラスで一番ということは恐らく全国で一番だ」というような推定が可能になるのです。(あくまで一例です。)

 

色々話が逸れてしまいましたが、ここまで読んでいただいた皆様にも、私は

・OB訪問や就活生に対するアドバイスの経験はあるが人事として面接等の採用活動をした経験はない

・理系出身

・上記の自己紹介も本当かどうか確認する術はない

これらの前提の下、記事に対する評価を頂けるとありがたいです。