就活生へ

基本的にはこれから就活を一から始める新大学1,2,3年生向けですが、場面によっては就活が本格化している4年生も役立つかもしれないです。

【就活生へ】思考訓練(題材:金融機関の異動について)

こんばんは。

 

久しく記事書けてなくて申し訳ないです。(そもそも読者がいるのか?)

1日2,3人のアクセスはあるのでその人の為になればと思い記事を書きます。

 

以前の記事で毎日Yahoo!のトップ記事を見て、自分なりの意見を持つことを継続して下さいと書きました。普段から自分の意見や考えを持って行動することは面接等の就活でも役に立つと思っているからです。時事ネタではないのですが、私が勤める会社を含めた金融機関の人事制度を絡めた私なりの意見を書きたいと思います。

 

ここでは私という一個人ではありますが、「こういった考えを持つ人もいるんだな」という参考としてもらえたらと思いますし、金融機関で勤めるとこういうこともあるんだなという企業選びの観点でも読んでもらえるような記事を書きたいと思ってます。

 

 

金融機関では(あくまで一般的に)一つの部署に留まることは少なく、2,3年、長くて5年で異動となることが多いです。私のように専門知識やスキルが必要な部署においてはその限りではないですが、お金を扱うという性質上顧客との癒着や不正防止という観点があるそうです。企業側からするとこれらの不正防止や従業員が様々な部署を経験することで企業価値の向上に繋がるということは少なからずあるでしょう。

 

では、従業員の観点からみるとどうでしょうか。私が考えるメリットデメリットについてお話したいと思います。

 

メリット

①よく言われるのが、同じ業務を続けることによるマンネリ化からくるモチベーションの低下を防げるということ。もちろん自分に合っていて長く続けたいという人もいるかもしれませんが、仕事に飽きてしまう人もいます。異動によって気持ちを改めて状況が好転した人を何人も見てきました。

②これもよく言われますが、職場内で折り合いのつかない上司や同僚、顧客がいたとしても数年我慢すれば状況が変わるので割り切って仕事に取り組むことができます。金融機関では2,3年もすれば職場内の人間関係の半分が、5年も経てばほぼ完全に一新されます。これも賛否両論あるかと思いますが少なくとも今の状況から脱したいと考えてる人にとっては好材料となるでしょう。高校でも入学から3年間クラス替えがないところもあるかと思います。入学時に気の合う友人が見つからなかったら「3年間このままか」と思いませんか?

③異動によって人脈を広げることができるのと同時に、仕事の幅を広げることが出来ます。場合によっては転勤を伴った異動となることもあり、職場環境だけでなく私的空間も変えることができます。(この辺りはデメリットと捉える人も多そうですが。)

 

細かい点は置いておいて、大雑把に挙げるとこんなところでしょうか。ではデメリットについてもお話したいと思います。

 

デメリット

①築いた人間関係等の再構築が必要

数年かけて築き上げた人間関係や仕事のルーティン等を異動によって再度築く必要が出てきます。メリットの裏返しにもなるのですが、例えば今までは困ったらこの人に頼ろう、ですとかこういった事象が発生したらここに行けば良い、とかある程度仕事への対応力が高まっていたところが、異動によって一からの対応が必要となることがあります。

 

②自分が携わったプロジェクトの最終成果を見れないこともある

M&Aや規制対応では5年先や10年先を見据えたプロジェクトもあります。そうしたときに、自分がそのプロジェクトに携わっていたとしても、最終的な成果が出る前に志半ばで異動となることも少なくないです。昇進や昇格ではどうしてもこの結果が求められ、途中のプロセスを評価されないこともあります。プロジェクトを完遂したという達成感が得られないこともあります。

 

③専門性が身につかない

これもメリットの裏返しになりますが、様々な部署を経験できる一方、5年程度では仕事に慣れはするものの、「その道のプロ」と言えるレベルになるのは難しいのではないでしょうか。私のいる部署では5年以上同じ部署に勤める人も多くいますが、それでも専門性がある、その道のプロだ、と言えるレベルになるのは難しいです。(私を含めてですが)

 

④希望してない部署や地域に異動となることもある

これは就活生が恐らく一番抱いている印象になるかと思いますが、異動の希望は出せてもそれが希望通り通らないことが多いです。東京勤務を希望していても地方の配属になったり、営業を希望しても内勤になったり、モチベーションが下がるような人事となることもしばしばあります。メリットでは「2,3年我慢すれば」と書きましたが、この2,3年は結構長いです。

 

ここまでメリットデメリットをつらつらと書いて参りました。比較的短い期間での異動は良い面も悪い面もあり、それをどう感じるかは人それぞれと言えるでしょう。ただ、少なくとも就活生は金融機関においてはそういうキャリアを辿る可能性が高いということを念頭に置いて就活をしてほしいと思います。

 

ここからは実際に金融機関に勤める私が感じていることについて話をしたいと思います。私は少ないながら友人がおりますが、仕事の話をするにせよ、込み入った内容の話はしません。最近は夜遅くまで働いている、だとか比較的今の仕事は楽だよ、とかそんな感じです。例えば仕事が辛いとかきついとか聞いたとして、具体的に何が辛いのか、何に問題があるのか、みたいな話まではしません。要するに言いたいことはこれから私が書こうとしている内容は他の仕事や業界にも当てはまるのか?と言われるとそうではないかもしれないですし、比較のしようがないことになるということです。あくまで私が感じていること、という視点で読んで頂ければと思います。

 

社会人には日々決まった仕事をしている人もいれば、日々新しい取り組みをしている人もいると思います。何も問題が発生しなければいいのですが、仕事をしていると課題や問題への対応を迫られることがあります。この課題を日々クリアしながら社会人は仕事をこなしていることでしょう。課題やタスクに優先順位をつけながら、もっと具体的に言うならば期限があり急いで取り掛かる必要のあるものを先にこなして、すぐに取り掛かる必要のないものを後回しにして仕事に取り組んでいるのではないでしょうか。

 

仕事中に直面する課題は、「エクセルの関数でエラーになった」という今すぐ解決したいものから「元号が変わるので平成で作られてる資料を次の元号に変更する」といった対応が先になるものなど様々です。そうしたときに、今取り掛かることのできる、今すぐに解決したい課題に先に取り組もうとすることは自然なことですよね?今対応しなくても問題がない課題については先送りされるケースが多いと思いますが私が勤める金融機関においてはこれが顕著であり、他の金融機関においても同じことが言えるのではないか?と思っています。

 

なぜか?ここで今回の記事で話してきた内容に帰着するのですが、「異動のスパンが短いこと」に一因があるのではないかと考えています。

 

1990年代(あるいはもっと前)から石油があと数百年で枯渇するだとか、地球温暖化が加速して南極の氷が溶けているだとかよく耳にしませんでしたか?専門家や研究者以外はこれを聞いて「ああ、そうなんだ」で終わる人が99%だと思います。なぜならば、少なくとも自分が死ぬまでの間にこれらの問題が顕在化することはないだろうと思っているからではありませんか?

 

わかりやすい例として挙げましたが、これらと似たようなことが金融機関では多く見られると思います。自分が異動するまでの間に問題が顕在化することはないからです。後に引き継ぐ人が困るだろうから今のうちに対応しようという気概のある人が少ないからです。これは仕方のないことです。「将来の子々孫々が快適に暮らせるように今できることをやろう!」なんて人見たことありませんよね?(もちろん政府や企業といった大きな組織が方針として打ち立ててる場合もありますし、そもそも今では石油は枯渇することはないとも言われてますが。)規模は違うものの行動原理としては同じことだと思います。昨今よりコンプラや労働環境については世間の目も厳しくなっており昔のように仕事の持ち帰りや日を跨いで仕事をする等の行為は中々認められず限られた時間の中で成果が求められるのが現代だと思います。そんな貴重な時間を割いてでも将来見ることのないプロジェクトの成果や課題解決に対して力を割ける人が果たしてどのくらいいるでしょうか。

 

少なくとも私は企業の在り方や周りの意識を変えていこうという気概はありません。しかし、最低限自分の見える範囲については課題や問題を先延ばしして将来の後任者に負担とならないよう今できることをやろうとは心掛けてはいます。

 

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございます。これはあくまで一例というか一意見にすぎませんが、「こういったところに問題意識を持っている」「問題意識に対してこのような取り組みを行っている」このような話し方が出来ると、論理的に聞こえますし面接でも受け答えがうまくいくと思うので試してみてください。